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この4月、ミュージカル『アンデルセン』が東京・四季劇場[秋]にて再演されます。6年前の公演終了後、再演を望む声が数多く寄せられていました。世界的に知られた作家アンデルセンの童話を織り込みながら、知られざる青年アンデルセンの恋と成長を描いた物語。心に残るメロディとともに本格的なバレエシーンが盛り込まれているのもこの作品の魅力の一つです。
今回の公演でバレエシーンの振り付けを担当する坂本登喜彦に話を聞きました。
――劇団四季の作品の振り付けに関わられるのは今回の『アンデルセン』が初めてですが打診されたときはどんな印象をお持ちになりましたか。
まず僕にとって『アンデルセン』は大好きな作品なんです。前回公演の時も本当に終わってしまうのがもったいないと思っていました。バレエシーンだけではなくジャズダンスがあり、きれいな曲がたくさんあり、そして今の世の中にはいちばん足りない心温まるものがふんだんにある作品です。
僕はバレエのレッスン講師を担当しているので週に何回か横浜のあざみ野に通ってきているんですが、ある日稽古場の前に『アンデルセン』と書いた衣裳が並んでいるのを見たんです! それを見て「『アンデルセン』を再演するんだ! 嬉しい!」と(笑い)。
ニールス役を演じたのは5年も前のことです。「自分がこの作品のために今できることは何だろう? そうだ、バレエシーンの振り付けをやらせていただけたら最高だな」と勝手ながら思っていたんです。そうしたら実際にバレエシーンの振り付けを依頼されまして。前回は出演、今回は振り付けという形でこの作品に関われることになって、一つの作品で二度夢を見させていただける、という自分としては最高の気分です。
今は、この夢を現実のものにしなければと真剣に振り付けに取り組んでいるところです。

四季芸術センターでバレエ指導にあたる坂本登喜彦
――前回公演の際は、ニールス役として東京、名古屋公演だけではなく全国各地を廻られましたね。
幕が下りてからのお客様からの拍手、それが本当にお客様に喜んでいただいているという実感がありました。何十回も出演するというのはダンサーとしては最高に幸せなことだと思います。本番で感じることっていっぱいあるんです。お客さんを目の前にして「こうすればよかった」の繰り返しですから。一ダンサーとしては同じものを突き詰めていける、というのは最高の幸せだと思います。
残念なんですがバレエの場合だと長期間、練習しても3日間くらいの公演が限度なんです。けれども劇団四季の場合は待っていてくださる方が日本中にいて、今練習していることが何万、何十万人という方々に見ていただける。
ですから今僕が一振り考えたことがどれだけ多くの人に見ていただけるのかと思うと、振付家としてワクワク感も感じますしまたプレッシャーもあります。たった一振りであっても、この先には何十万人という人が見るんだと思ったら妥協できないですね。
――ミュージカルの中にあるバレエシーンという点で勝手がちがうということはありますか。
普通のバレエ公演の場合ですと、トゥシューズをはいて舞台に出る前に、舞台袖でずっと体慣らしをして重心のポイントを引き揚げてようやく舞台に出るんです。
ところがミュージカル、特にこの『アンデルセン』の場合では、バレエシーンの前にジャズのシーンがあり歌があり台詞があり――。その上、衣裳を着替えてシューズを履き替えて舞台に出ていく。そこが全く違います。前回の公演ではその様子をずっと見ていたのでそういうことも考えて振り付けをしています。
ジャズもやってバレエシーンもやってというのは大変なことで、それが出来るのは劇団四季だからこそだと思います。もしかしたら世界中探してもないかもしれない、それくらい大変な作業です。バレエのレッスンを毎日やっている劇団だからこそできる。この作品は他の所に持っていっても、絶対に劇団四季ほどの水準では見せることはできないと思いますね。
この『アンデルセン』では普段、レッスンで教えていることがそのまま、振り付けとなり舞台にのる、ということになります。僕としては今回は教師としても真価が問われるということになります。「普段おまえ何教えてるんだ」って言われないように。相当プレッシャーを感じています(笑い)。
――バレエで描かれる劇中劇の「人魚姫」のシーンは海中の中を舞台にした不思議な雰囲気ですね。
ええ、その場面も工夫しています。
場面はオペラハウス、王宮、海中といろいろあるんですけれども、最終的には「手」の表現で違いを表現しています。つま先で立って、重心をあげて上半身、さらにその先に「手」の動きがある。その「手」の動きで印象が全然違うんです。海中のゆらゆらした感じであるとか、オペラハウスの重厚な雰囲気であるとか。
――いままでバレエを見たことがないという人にメッセージをいただけますか?
その方たちにも「バレエってすごいな、ステキだな」って思ってもらえるように振り付けを仕上げていくのも僕の役目と思っています。バレエもわかりやすい、台詞がなくても体の動きだけでストーリーが語れるんだということを知っていただけたらうれしいですね。
最終的には、全体としてお芝居を楽しんでいただければそれで十分で、バレエだけ特別扱いしていただかなくても結構だと思います。あまり肩肘張らずに『アンデルセン』の物語を楽しんでいただきたいですね。
| ミュージカル『アンデルセン』東京公演 延長公演分 5月9日(土)〜5月30日(土)公演分 「四季の会」会員先行 3月15日(日)より 一般発売 3月22日(日)より 4月7日(火)〜5月6日(水・祝)公演分は好評発売中です。 |

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