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「東洋と西洋の伝統が一緒に手を結んで作った舞台だと、ご理解いただければありがたいと思います」
9月30日、中国の北京人民芸術劇院(首都劇場)にて『ハムレット』の公開舞台稽古が行われ、日本・中国の報道陣を前に、演出を担当した浅利慶太はこのように語りました。

北京にある「首都劇場」
2008年10月1日から15日までの約2週間、中国ナンバーワンの劇団である北京人民芸術劇院が劇団四季版の『ハムレット』を上演します。8月、横浜市・四季芸術センターでの稽古の後、北京には『ハムレット』出演経験を持つ日本人俳優や、劇団四季スタッフが入り、芸術劇院のメンバーと一緒に稽古を重ねてきました。開幕を明日に控えた9月30日、北京の首都劇場にて本番同様に緊張感溢れた稽古がマスコミに公開され、キャスト、スタッフによって全体の最終チェックが入念に行われました。

舞台稽古の様子
稽古終了後に行われた会見では40名余りの報道陣から熱心な質問が続きました。「これまで見たハムレット俳優の中でもトップ3に入る」と浅利が太鼓判を押す王斑(ワン バン)は次のように開幕に向けた抱負を語ります。

「稽古を始めたころは、このような大役にとても不安を感じていましたが、浅利先生をはじめ劇団四季の俳優、スタッフの皆さんの支えでここまで来ることが出来ました。特に日本での集中的な稽古はとても勉強になりました。このような機会をあたえてくれた劇団四季と北京人民芸術劇院すべてのスタッフに感謝の気持ちでいっぱいです」
劇団四季版『ハムレット』の衣裳・装置デザインを担当するジョン・ベリーさんとは、約40年前に浅利が英国のロイヤル・シェイクスピア・カンパニーを日本に招聘したところから交流が始まっています。会見で浅利は、ベリーさんがアジア人の黒髪に非常に感動していたというエピソードを披露。劇中、ハムレットは黒い衣裳から白い衣裳へと変わり、対照的に他の人物たちは明るい衣裳から黒に向かってクロスしてゆく――。この構図は、実はベリーさんが感動した黒髪からの発想だったのだとか。
浅利は「ベリーさんは、もう何年か前に亡くなられましたけれど、生きておられたら今回のプロジェクトはすごく喜んだと思います」と語り、中国第一の劇団による、日本人演出のシェイクスピア劇の上演の意義を強調しました。
「北京人民芸術劇院は、リアリズム演劇の伝統を守っていて、出演者のレベルも高く、舞台の出来には大変満足しています。中国とは長いお付き合いがありますが、中国語と日本語での上演でここまで、表現が変わるのかと驚きました。日本版よりも若干、情緒的になったかなと思います。明日の初日には精一杯の舞台をお見せしたいと思っています」

演出の浅利慶太とハムレット役の王斑(ワン バン)
北京人民芸術劇院は、全土に優秀な俳優を数多く輩出し、国内はもちろん、世界でも最高レベルの芸術集団です。劇団四季との交流もたいへん深く、2005年には日中国交正常化35周年を記念した「中国文化フェスティバル」で日本に招聘され、四季劇場[秋]にてストレートプレイの傑作『雷雨』を上演しています。北京人民芸術劇院が日本人による演出を招くのは今回が初めて。『ハムレット』の上演は日中の芸術交流史の中で大きな足跡を残すでしょう。
北京人民芸術劇院『ハムレット』北京公演 概要
期間 2008年10月1日〜15日(12回公演)
会場 北京人民芸術劇院首都劇場
演出 浅利慶太
照明 吉井澄雄
装置・衣裳 ジョン&エリザベス・ベリー
出演 北京人民芸術劇院


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