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7月13日、東京・四季劇場[秋]にて開幕した『ミュージカル南十字星』。その初日公演にインドネシア大使・塩尻孝二郎さんが来場され、出演者との交流会がおこなわれました。
![四季劇場[秋]](http://www.shiki.gr.jp/navi02/images/080713minami03.jpg)
駐インドネシア日本国大使として、日本とインドネシア両国の友好と発展のために活動をされている塩尻さん。普段はインドネシアに駐在されていますが、7月7日から開催された北海道洞爺湖サミットのために帰国されており、インドネシアを舞台とした『ミュージカル南十字星』の開幕日に観劇いただくことが実現したのです。
その塩尻さんが今回『南十字星』をご覧いただくきっかけとなったのが、前回の東京公演で来場されたインドネシア残留日本兵を父にもつヘル・サントソ衛藤さんの薦めでした。この日はヘル・サントソさんのご家族も来場され、終演後に塩尻さんとともに出演者のもとを訪れ、ねぎらいの言葉が送られました。
「とても感動しました。特に水の演出が素晴らしいですね! これからも若い世代にこの事実を語り継いでいただきたいです。インドネシア語もみなさんお上手でした」
普段インドネシアで過ごしていらっしゃる塩尻さんにどのように受け止められるか。緊張の面持ちで出迎えた出演者たちは、塩尻大使のこの言葉を聞いてほっとした様子。
「みんなよかったね、安心しました。おかげさまで今日はとても良い初日を迎えることになりました。ありがとうございました」
保科役を務めた阿久津陽一郎が嬉しそうに応えると、その後も思い思いに歓談を楽しんでいました。
「ぜひ、今度インドネシアにいらしてください。歓迎いたします」
「嬉しい! ぜひ伺いたいです!」
これまでインドネシアについてたくさんの書籍を読み、文化を学んできた出演者たち。インドネシア人を演じる彼らにとってインドネシアは祖国のようなものです。塩尻さんのあたたかい言葉に出演者みんな目を輝かせていました。

塩尻大使やヘル・サントソさんのご家族を囲んで
『ミュージカル南十字星』の劇中にはインドネシアの流行歌「ブンガワン・ソロ」や現地の言葉で歌われる歌が登場します。美しい旋律、実り豊かな田園風景。水を使った演出により美しく再現されたインドネシアの風景は、日本にもよく似た光景でもあります。
インドネシア独立のためにこの地に出征することになった若き青年、保科勲(ほしないさお)は、インドネシア人の恋人リナと予想よりも早い再会を果たすことになります。留学生として京都にやってきたリナと知り合い、恋に落ちたふたり。1年前、平和がとり戻されたら再び会ってインドネシアの歌「ブンガワン・ソロ」をともに歌おうと約束していたのです。その時が最高に幸せな時――ふたりにとってそうなるはずだったこの再会は、悪化する戦況の中で少しずつ引き裂かれていきます・・・。
敵味方を問わず誰に対してもひとりの人間として優しく接してきた保科。しかし戦後、誤解や裏切りの積み重ねから、「BC級戦犯」に問われることになってしまうのです。
最期まで誇り高く生きた青年から語られる、今を生きる私たちへのメッセージ。目を背けることなく見守る客席からは、涙を拭おうとする音が次第に広がっていきました。
迎えたカーテンコール。主人公の保科勲役を務めた阿久津陽一郎が舞台奥から登場するとさらに拍手はさらに大きくなり、出演者全員による「ブンガワン・ソロ」が披露されます。
ブンガワン・ソロ
果てしなき 清き流れに 今日も祈らん

カーテンコールの様子/左より阿久津陽一郎(保科役)、樋口麻美(リナ・ニングラット役)
『ミュージカル南十字星』は7月17日には通算公演回数200回を迎えます。
「彼らからのメッセージは、この胸にしっかりと届いています」
「私たちの次の世代、また次の世代へと伝えていきたいです」
開幕してから、当ウェブサイトにはこのような言葉が寄せられています。忘れてはならない本当の歴史をいつまでも語り継いでいこう――劇団の思いが込められた『ミュージカル南十字星』をぜひご覧ください。
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