劇団四季 オフステージブログ

『美女と野獣』の素敵なカップルたち [美女と野獣]

こんにちは。
『美女と野獣』京都公演でバベット役を演じる小川美緒です。

1月もあっという間に終わってもう2月。
いよいよバレンタインシーズンですね。
素敵な恋が芽生える季節、恋人同士で『美女と野獣』をお楽しみいただくのはいかがでしょうか。

ドキドキするシーンが盛りだくさんの『美女と野獣』。
ベルとビーストの心が次第に通い合ってゆくストーリーは、やはり惹きこまれる魅力のひとつでしょう。図書館のシーンでベルとビーストの心が初めて近づくところや、「美女と野獣」のダンスで2人の心が通い合うところはとても素敵。
きっと、カップルの皆さんも色々感じるものがあると思いますよ。

また、豪華絢爛な舞台はきっとあなたを夢の世界に連れて行ってくれるはず。舞台装置、音楽、衣裳、どれをとってもゴージャスですが、中でも「ビー・アワ・ゲスト」のシーンは、圧巻です。
素敵なベルに飛びっきりのおもてなしをするために、私たちは、いつもベルに喜んでもらいたい一心でショーをします。ベルは自分たちを人間に戻してくれる可能性を秘めた女性。自分たちがどんどんモノ化してゆく恐怖よりも、お城にやってきたベルにここを気に入ってほしい、楽しいって思ってもらいたいという想いを込めて、みんなが「ベルちゃん!ベルちゃん!」っておもてなしをするんです。きっと、みんなの想いの集大成が、あの豪華さを生み出す理由のひとつになっているのかも知れませんね。

バベットとルミエールの恋の駆け引きのシーンも、勿論オススメです。
バベットの役作りの際に、フランス人の恋人をイメージして演じるように説明を受けたんです。いつも、「oui!」「non!」「oui!」「non!」て言い合ってるような、そんなカップルですね。好きなんだけど、それを素直に出さなかったりといった駆け引きが、フランスの恋人たちにとっては日常のことなのかなって思います。
『美女と野獣』は、もともとは、フランスの民話。バルコニーで、ルミエールとバベットがじゃれ合うシーンは、まさに日常のことなんですよね。
2人はどんなバレンタインデーを過ごすのでしょう。

私は5年間ドイツに留学していたのですが、ドイツのバレンタインデーは、女性だけでなく男性からも、恋人や親しい人に贈り物をする日なんです。
ドイツに行って初めてのバレンタインデーの朝、当時住んでいた寮のドアに友達からのメッセージカードが貼ってあったんです。カードには「ハッピーバレンタイン」と書かれていて、その上にチョコレートがチョンとくっついていました。外人さんてとってもキュートでおしゃれだなあって、感激したのをよく覚えています。
ドイツにいる間は、バレエ団の仲間とよくプレゼントを贈り合っていました。大きいものでなくて、小さなチョコレートなど、ちょっとした物を「ありがとう」という気持ちでプレゼントするんです。

今、『美女と野獣』カンパニーはバレンタイン特別カーテンコールに向けて稽古をしています。出演者からのサプライズイベントも企画していますので、皆さんぜひ、劇場にお越しくださいね。

(バベット役・小川美緒)


「人は誰でも変わることができる」 [ミュージカル『アイーダ』]

劇団四季ファンの皆様、そして、ミュージカルにご興味をお持ちの皆様、こんにちは。
東京・電通四季劇場[海]で上演中の『アイーダ』で、王女アイーダと恋に落ちるエジプトの将軍・ラダメスを演じております阿久津陽一郎です。

今回は『アイーダ』を鑑賞する際のポイントを、ラダメスの視点からお話したいと思います。

『アイーダ』というと、壮大なラブストーリーという印象が一般的です。
しかし、それはもっとも見えやすい部分に過ぎません。
その背後にある、僕が一番大切にしているテーマは、「人は誰でも変わることができる」ということです。

エジプト軍の司令官として戦いに明け暮れるラダメスの性格を一言で表せば、粗野で乱暴。「この世は自分のためにある」ということを信じて疑わない、横柄で非常に男臭い人間です。

演じるにあたり、ディズニーからは、「アメリカンヒーローのイメージで」とアドバイスを受けました。西部劇におけるジョンウェインのような豪放磊落さとでも言いましょうか。

そのような性格ゆえに、自分の知らないものへの好奇心も人一倍強い。
すべてを理解し、掌握していたいのです。
ヌビアへの遠征を買って出たのもそのため。また、女性の扱いも、相手の欲求を察知してそれに応えることで支配下に置くというスタンスです。これは、エジプトの王女・アムネリスに対する接し方にも現れています。

しかし、その尊大な自信家であるラダメスを揺るがす出来事、それがアイーダとの出会いです。

今までに見たことのない未知のタイプの女性との出会いに、ラダメスは「彼女は一体何者なんだろう?」という疑問で満たされます。
しかし、知ろうとすればするほど、アイーダの懐は予想以上に深く計り知れないことがわかる。
自分の理解の埒外の存在に、ラダメスの心はざわめき立ちます。

そして、ナイルの岸辺でアイーダと初めてキスをしたとき、「自分はこの女性を愛しているのだ」とはっきりと気づいてしまうのです。
自らの財産を民にすべて分け与えることで、その愛情を不器用ながらにも表現するラダメス。
アイーダへの愛に気づき、今まで自分が生きてきたすべてを投げ打つことで、ラダメスは生まれ変わります。
ここは、僕が劇中でもっとも好きなとても美しいシーンです。

人間は弱い生き物であり、誰しも過ちを犯してしまうものです。
しかし、過去と決別し、未来を生きることもできる。
それが、隠れた『アイーダ』のテーマだと僕は思っています。

個人的な解釈ではありますが、これから『アイーダ』をご覧になる皆様の一助になればと願って。

阿久津陽一郎


“悪カッコいい”ゾーザー軍団 [ミュージカル『アイーダ』]

みなさん、こんにちは。ゾーザー飯野こと、飯野おさみです。

私が出演している『アイーダ』の東京公演も10月の開幕から4カ月近く経ちましたが、鑑賞されたお客様が口コミで評判を広げてくださり、非常に御好評をいただいているようです。本当に、ありがとうございます!

さて、今回のオフステージブログは、わたくし飯野が、劇団四季とディズニーが贈るミュージカル『アイーダ』の魅力をご紹介させていただきます。

『アイーダ』の魅力は、作曲家のエルトン・ジョンと作詞家のティム・ライスが手掛けた音楽や、時空を超えた真実の「愛」で感動を得られる部分だけではありません。最大の見どころは、なんといっても、僕がひきいるゾーザー軍団がカッコイイことでしょう(笑)。

ゾーザーは、『アイーダ』のなかでは唯一の悪人です。表向きは優しいけれど、欲望や思いを貫き通すためであれば自分の息子ですら殺すことを厭わない冷酷な人間。それがゾーザーです。

僕には「人間には、どこかいい部分があり、根っからの悪人はいない」という持論があり、どんな役でも“いい人”の感情を織り交ぜて演じていました。しかし、ゾーザーの場合、それではダメなんです。

なぜなら、ゾーザーは根っからの悪人だからです。『アイーダ』は、ゾーザーの悪役っぷりを引き立たせることで物語のコントラストがより浮かび上がる構成になっています。食べ物でいえば、メインの食材ではないけれど味に深みを出すには欠かせない唐辛子のようなもの。徹底的な悪役だからこそ、「悪人ではあるけど、カッコいい!」と思えるような人間像を心がけて演じています。

そして、ゾーザーの見どころは、そのピカレスク的な部分だけはありません。ゾーザー率いる軍団、通称『ゾーザー軍団』が繰り広げるダンスも見ごたえ充分! 振付師のウェイン・シレントさんが考案したダンスは日本の武道のような切れ味・鋭い振りが入り、その動きに合わせて照明も素早く切り替わるので、とても力強く見えるはず。

でも、実のところゾーザーは、軍団を引き連れてはいるものの、舞台上を練り歩くことが中心であまり踊ってはいないんです。それなのに踊っているかのように見える……。実際にアイーダをご鑑賞になられた方は、ゾーザーも踊っているかのような錯覚を覚えられたのではないでしょうか?

その理由は、ゾーザー飯野が軍団を巧みにコントロールしているからです(笑)。というのは半分冗談で、本当に音に合わせて動いているだけなのですが、その呼吸の間合いがピッタリと合っているからこそゾーザーも踊っているように見えるのです。

2010年を迎え、ぼくも新しい細胞に入れ替えるためにトレーニングを重ね、日増しにパワーアップしています。みなさん、ぜひ劇場にご来場いただき、パワーアップした “悪カッコいい” ゾーザーを観にいらしてください!!