ハムレット みどころ
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舞台美術家ジョン・ベリーの仕事
 
 
(1)舞台装置について
全て真っ黒な世界――それが今回の『ハムレット』です。
イギリスを代表する舞台美術家ジョン・ベリーによる舞台装置は、無駄のないいくぶん抽象的なリアリズム、装飾的であるよりもむしろ素材を重視するデザインとなっています。デザインを構成する材質が舞台全体に与える微妙な印象の違いを大切にしているのです。


奥行き11間(20メートル)まで白の放射線が走った黒の床面だけでなく、さらに両サイドからもくい込むようにテカリのある黒い壁面が立ち、舞台全体が黒を基調に構成されています。あとは必要最小限の小道具のみ。その舞台が、あるときは城壁に、またあるときは宮殿の広間へと変化を見せるのです。

ジョン・ベリーは作品に対する取り組み方として、
「舞台美術も文学なのです。舞台美術家は、演劇的に文学を表現しなければいけない。
そして、上演する作品にとって、最も適した空間を創りだし、挑戦すること。」
と述べています。

さらに、
「その作品を、その作品たらしめるためには、何が必要なのかを見つけ出すのです。
『ハムレット』という作品がデザイナーに対してどのような意味を持つのかではなく、
ハムレットという人物にとってどのような意味があるのかを理解することが重要なのです。
先ず、台本に答える事、演出家の邪魔をしないこと。デザイナーの仕事はただ見栄えのする、
斬新な物を作れば良いというものではない。デザインには、リアリティーがなくてはならない。」
とも語っています。
 
Photo by 上原タカシ
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