やあ、みんな。俺はガンバ、人間の家の床下にある貯蔵庫で、平和な暮らしを楽しんでいる町ネズミだ。
ジャガイモはたくさんあるし、静かで、敵も来ない。これを幸せって呼ぶのかも知れないけれど、実はこのところ、"何か大きくて広いもの"が俺を呼んでいる気がして仕方ないんだ。
そんなところにやってきた、いつも腹を空かしている町ネズミの仲間マンプクに連れられて次の夜、俺は年に一度開かれるという船乗りネズミのパーティーに参加してみることにした。
足の速さはピカイチのイダテン、いつもサイコロを持ち歩くイカサマ、力自慢のヨイショ、踊りの得意なバレット、物知りのガクシャ。船乗りネズミたちは個性豊かな奴らだった。
彼らの話によると、海の旅にでればゾクゾクするような経験ができるらしい。その言葉を聞いて、俺はなんとしても冒険の旅に出てみたいと思ったんだ。
そんな楽しいパーティーの途中、船乗りネズミのシジンが連れて入ってきたのは、体中傷だらけで血を流している忠太。聞いてみると、忠太の住む夢見が島は今、イタチのノロイ一族に襲われて家族が生きているかどうかもわからない状態で、命からがら助けてくれる仲間を探しにやって来たと言う。
「これこそ冒険だ!島の仲間たちを助けにいくぞ!!」
だが、船乗りネズミたちは気乗りしない様子。さっきまで俺に「冒険はすばらしいものだぞ」なんて言ってたのは誰なんだ?「そんな腰ぬけだったのか、見損なったぞ。」
出て行こうとする俺に向かって、皆は口をそろえてイタチの恐ろしさを説明した。でも今はそんな事を言っていられないじゃないか!
「イタチがどんなに恐ろしい敵だろうと、死ぬことを恐れていて何ができる?俺は一人でも島へ行くぜ!」
この一言が、みんなの心に響いたのか、結局、島へいっしょに行くことになったのは、ボンヤリ、オイボレを加えた個性豊かな10人。どんな敵が待ち受けているのか、もちろん少しくらいは怖い気持ちもあるが、何よりも初めて見た海は、やっぱり広くて大きくて・・・言葉にならなかった。
島に着いて、忠太が住んでいたというほら穴に到着した俺たち。
だが、穴の手前にはイタチの毛が落ちていた。家族は殺されてしまったのか・・・。
「フフフフ、ようこそ皆さん、死んでもらいます」
そこへ、無気味な声が響いてきた。姿は見えないがイタチのやつに違いない。
「来るなら来い、イタチどもめ!」
だが、向こうも俺たちのことをイタチだと思っていた。彼らもネズミと同じくノロイたちに襲われていたオオミズナギドリのツブリたちだったのだ。
ノロイたちに対抗するために協力することを誓い合ったその時、俺らの目の前に現れたのは忠太の姉潮路と仲間の七郎だった。
「姉さん、生きていたのか!」
再会に感動する忠太たちに連れられ、他の仲間の待つ岩穴の隠れ家へと俺たちは向かった。
生き残った島ネズミたちが口にするのは、ノロイの不思議な踊りのこと。奇妙なダンスを見ると、催眠術にかかったように引き寄せられていってしまうそうだ。
一体どうやってこれを防いだらいいのか、戦いはどう発展するのか?
緊張の時が今、やってこようとしていた・・・。
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