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マイケル・ベネット Michael Bennett…『コーラスライン』の原案/演出/振付。1987年7月2日後天性免疫不全症候群(エイズ)で死去。享年44歳。
この作品が生まれるきっかけというのは、信じてもらえないかもしれませんが、ウォーターゲイト事件にあります。あのときの公聴会をテレビで見ていて感じたものから、この作品は生まれました。つまり、あのころアメリカ中を支配していた虚無と無気力への反発です。ちょうど、私は自分の人生に正直でありたいと思っていた時期で、舞台の上で人々が自分の気持ちを正直にさらけ出している姿を見せたいと思っていました。と同時に、われわれダンサーについてのショウをやりたいという考えがありましたので、二十四人のダンサーを集めて、何時間にもわたり、いままで自分たちがやってきたこと、そして求めていることなどを話しあいました。なぜ、どういうきっかけでこの仕事をはじめたのかをできるだけ正直に話して欲しいとダンサー達に頼みました。こうして集まりを二度おこない、テープレコーダーに録音しておきました。
ダンサーというのは、非常にオープンな性格を持った人種です。自分の強味、弱点をよく知っていて、自分自身を隠すことには慣れていません。これは、子供のころからダンスを習いはじめ、一生の大半を鏡の前の練習で過ごすからだと思います。鏡は嘘をつきませんから。
二度の集まりで収録したテープを、何ヶ月もの間、何度も何度も繰り返して聞いているうちに、「オーディション」の構想が浮かびました。
この作品で、ある部分は私自身の経験をもとにしていますから、その点では自伝的な作品といえるでしょう。たとえば、親は私を三歳のときにダンススク−ルに連れて行ってくれました。踊ることで、自分は特別の人間になったと感じたものでした。