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『クレイジー・フォー・ユー』は、アイラとジョージのガーシュウィン兄弟によって生み出された美しいメロディーで彩られています。ガーシュウィン兄弟は“アメリカ人の音楽を初めて創ってくれた人”として、1930年代に熱狂的な人気を集めた音楽家。ユダヤ系の家に生まれ、先祖たちの豊かな感性を受け継いだ彼らは「ラプソディ・イン・ブルー」「サマータイム」「巴里のアメリカ人」など、誰もが一度は耳にしたことのある名曲を数多く世に送り出しました。そして、先祖たちが数千年にわたる迫害と放浪の果てに辿り着いたニューヨークで創り上げた“ブロードウェイ”に輝かしい歴史を刻んだのです。
『クレイジー・フォー・ユー』は、そんなガーシュウィン兄弟が1930年代に発表したミュージカル『ガール・クレイジー』をベースに、スタンダードナンバーや未発表曲を加え、全く新しいミュージカルとして誕生しました。この作品には、心弾み思わず足踏みしたくなる「アイ・ガット・リズム」、じんと心に染み入る「サムワン・トゥ・ウォッチ・オーバー・ミー」など、人間味にあふれた実に魅力的なガーシュウィン・メロディーが散りばめられているのです。彼らの創り出したメロディーには、たとえ恋に悩む歌であっても一筋の光を見出すことのできる明るさがあります。これが時代を超え、ジャンルを超えて、今なお世界中の人々に愛され続けている理由でしょう。
どこか懐かしく、かつ新鮮で、聴く人をひきつけてやまないガーシュウィン兄弟の珠玉のメロディー。皆さんの心を多いに揺さぶること間違いなしです。劇団四季の『クレイジー・フォー・ユー』では、このガーシュウィン・メロディーの訳詞をイラストレーターの和田誠さんにお願いしました。「バット・ノット・フォー・ミー」の〜恋は枯れ木、まるで瓦礫、ロシア悲劇〜をはじめ、ウィットに富んだ“韻”の数々もお楽しみください。
PHOTO BY 荒井 健